休業手当の支払い
訪問介護の利用者の方から突然の利用キャンセルの連絡が有った場合、事業所によってキャンセル料を頂くか、頂かないかは状況によりまちまちですよね。
私のケアマネージャー経験上も、利用者からキャンセル料を実際に頂いている事業所は多くないような印象を受けます。(契約書に記載されていても、頂きにくいですよね……)。
ただ、それと労働基準法は別だということは認識すべきです。
例え、利用者からキャンセル料を頂かない場合でも、ヘルパーの勤務予定表が作成されており、勤務予定が確定していた場合には、ヘルパーに平均賃金の6割の休業補償(休業手当)の支払いが必要になってきます。
利用者の都合でキャンセルになったにもかかわらず、事業所責任でヘルパーに、休業手当を出さなければいけないのは不条理な感じも受けますが、ヘルパーも同様に賃金の減少という不利益を被っているわけですから、「その保障をしてください」と労働基準法は言っているわけです。
このケース、責任があるのは利用者なわけで、キャンセル料が頂ける状況であれば、それを頂いて、休業手当を支給すれば問題はないわけです。
ただ、それができれば苦労はないかとも思いますので、
余分な休業手当の支払いを避けるという観点で考えてみると、
予定がキャンセルになった場合に、代替えの業務や労働日と休業日の振り替えを行うなど、ヘルパーの給料が減額しないような措置を事業所側がとらなければいけません。
正社員が訪問している場所を振り替えて、その時間に正社員には事務処理を行ってもらったり、そもそもキャンセルが発生しやすい利用者宅には正社員が訪問する予定にしておくなどが有効かもしれません。
少なくとも、最大限努力して、代わりの業務を探し提案する事が必要です。努力しても代わりの業務が見つからなかった場合の扱いは、曖昧な部分が残りますが、少なくとも事業所側が一方的に悪いということにはならないはずです。
したがって、代替え業務の提案を行ったという証拠を紙ベースで残しておくことは必要なことであり、キャンセルの際の取り扱いに関して、代替え業務の提案方法など事業所内できちんと整理しておいた上で(ヘルパーにきちんと説明した上で)、最大限代替え業務を見つける努力をする必要があります。