ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の障害

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の障害

  • 障害認定については、障害認定における留意事項により、続発症の有無、その程度、検査所見、治療及び症状の経過を十分考慮し、労働及び日常生活上の障害を総合的に判断するほか、以下の障害の程度の目安により障害の程度を判断し、それらのうち上位等級の方で認定する。

【1 級】

A.(ア+イ+ウ)又はBを満たす場合とする。

【検査項目】
ア.CD4値が200/μl以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ.以下の項目のうち、3つ以上を満たす
(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
a . 白血球数が3000/μl未満
b . ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
c . 血小板が10万/μl未満
d . ヒト免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上

【身体症状等】
ウ.以下の項目のうち、4つ以上を満たす
a . 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
b . 病態の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
c . 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
d . 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
e . 1日に3回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
f . 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
g . 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
h . 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
i . 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
j . 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

B.回復不能なエイズ合併症のため介助なくしては日常生活ができない状態(注2)である。

【2 級】

A.(ア+イ+ウ)又はB(ア+エ)を満たす場合とする。

【検査項目】
ア.CD4値が200/μl以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ.以下の項目のうち、2つ以上を満たす(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
a . 白血球数が3000/μl未満
b . ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
c . 血小板が10万/μl未満
d . 人免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上

【身体症状等】
ウ.以下の項目のうち、3つ以上を満たす
a . 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
b . 病態の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
c . 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
d . 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
e . 1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
f . 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
g . 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
h . 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
i . 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
j . 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

【その他】
エ.エイズ発症の既往歴がある。

【3 級】

A.(ア+イ+ウ)又はB(ア+エ)を満たす場合とする。

【検査項目】
ア.D4値が350/μl以下(4週以上間隔を置いた直近の連続する2回の平均値)
イ.以下の項目のうち、2つ以上を満たす(4週以上の間隔を置いた直近の検査において2回以上続く)
a . 白血球数が3000/μl未満
b . ヘモグロビン量が男性12g/dl 女性11g/dl未満
c . 血小板が10万/μl未満
d . 人免疫不全ウイルスーRNA量が5000コピー/ml以上

【身体症状等】
ウ.以下の項目のうち、2つ以上を満たす
a . 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労感が月に7日以上ある
b . 病気の進行のため、健常時に比し10%以上の体重減少がある。
c . 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
d . 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
e . 1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
f . 動悸や息苦しくなる症状が毎日のように出現する。
g . 抗HIV療法による日常生活に支障を生じる副作用がある(a~f以外)。(抗HIV療法を実施している場合)
h . 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
i . 1年以内に口腔内カンジダ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫、尖圭コンジローム等の日和見感染症の既往がある。
j . 医学的理由(注1)により、抗HIV療法ができない状態である。

【その他】
エ.エイズ発症の既往歴がある。

(注1)医学的理由とは、投薬による肝障害、白血球数減少などの副作用などの医学的事項をいう。
(注2)「回復不能なエイズ合併症のため介助なくしては日常生活ができない状態」とは、エイズ合併症(「サーベイランスのためのエイズ感染症/AIDS診断基準)(厚生省エイズ動向委員会、1999)が採択した指標疾患としてあげられる合併症」)が回復不能に陥り、日常生活のほとんどすべてが介助なくしては過ごすことができない状態をいう。

 

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