発達障害で障害年金をもらえる条件|3つの要件と1級・2級・3級の目安

30代になってから、自閉スペクトラム症と注意欠如多動症の診断を受けました。仕事が続かず、家のことも家族に助けてもらっています。障害年金のことを調べたのですが、「もらえる条件」が記事ごとに書き方が違って、自分が当てはまるのかどうかわかりません。
条件の数え方は書く人によって変わりますが、法律と国の基準で決まっている中身は一つです。この記事では、3つの要件をそれぞれ発達障害の場合に置きかえて説明し、等級がどんな材料で決まるのか、働いていても条件を満たすのか、金額はいくらかまで、順番にお話ししますね。
結論からお伝えします。発達障害で障害年金をもらえる条件は、①初診日が年金の加入期間などの中にあること、②初診日の前日の時点で保険料の納付の要件を満たしていること、③障害認定日に障害等級に当てはまる状態であることの3つです。発達障害に特有の論点は、この3つのうち①と③に集まります。①は「知的障害を伴わない発達障害で、初めて受診したのが20歳以降なら、その受診日が初診日になる」という決まりがあること。③は「知能指数が高くても、対人関係や意思疎通の困難で日常生活に著しい制限を受けていることに着目して判断される」ということです。
この記事は、静岡県で障害年金のご相談を受けている社会保険労務士・社会福祉士の梅田貴彦が監修しています。日本年金機構・厚生労働省・e-Gov法令検索の資料(2026年10月17日に確認)にもとづいて書き、当センターで実際に受給につながった受給事例も紹介します。
発達障害は障害年金の対象になる|もらえる条件は大きく3つ
障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障が出たときに受け取れる公的年金です。対象は体の障害だけではありません。国の障害認定基準は、精神の障害を「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分(感情)障害」「症状性を含む器質性精神障害」「てんかん」「知的障害」「発達障害」の6つに区分していて、発達障害はそのうちの一つです(出典:日本年金機構・厚生労働省「障害認定基準 第8節 精神の障害」)。基準の文章では、発達障害は次のように定義されています。
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものをいう。
この文は、発達障害者支援法第2条の定義とほぼ同じ言葉でできています(出典:e-Gov法令検索「発達障害者支援法」。平成16年法律第167号)。つまり、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)・LD(学習障害)といった呼び方の違いにかかわらず、障害年金の世界では同じ「発達障害」の枠で判断されるということです。そのうえで、受け取るために満たす条件は次の3つです。
| 条件 | 中身 | 発達障害ではここが論点 |
|---|---|---|
| ①初診日の要件 | 障害のもとになった病気で初めて医師の診療を受けた日が、年金の加入期間か、20歳前などの期間にあること | 知的障害を伴うかどうかで、初診日の考え方が変わる |
| ②保険料の納付の要件 | 初診日の前日の時点で、加入期間の3分の2以上が納付済みか免除。または直近1年間に未納がないこと | 20歳前に初診日がある場合は、この要件は不要 |
| ③障害の状態の要件 | 障害認定日に、障害等級表の1級・2級(障害厚生年金は3級も)に当てはまること | 知能指数ではなく、日常生活の制限の度合いで判断される |
表の①〜③は、日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」の受給要件を、発達障害の場合に置きかえたものです。3つは「どれか1つ」ではなく、すべて満たす必要があります。逆に言えば、症状がどれだけ重くても①②が欠けていれば受け取れず、①②がそろっていても③の状態に届かなければ受け取れません。ここを図にすると、次のような入れ子になります。
📚 用語解説
障害年金:病気やけがで生活や仕事に支障が出たときに受け取れる公的年金。初診日に国民年金に入っていた場合は障害基礎年金、厚生年金に入っていた場合は障害厚生年金が対象になります。
📚 用語解説
障害認定日:障害の程度を判断する日。原則として初診日から1年6か月を過ぎた日で、それより前に症状が固定した場合はその日になります。障害認定日のあとに20歳になる場合は、20歳に達した日で判断します。
障害者手帳を持っていないと、障害年金はもらえないのでしょうか。
手帳と障害年金は別の制度で、等級も別々に判断されます。精神障害者保健福祉手帳は精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から市区町村の窓口を通して判定されるもので、障害年金は日本年金機構が診断書などで審査します。手帳がなくても請求できますし、手帳が3級でも年金が2級になることもあれば、その逆もあります。
精神障害者保健福祉手帳は、厚生労働省のページのとおり1級から3級まであり、市町村の担当窓口を経由して都道府県知事または指定都市市長に申請します。判断する人も、使う書類も、障害年金とは別です。当センターでも、療育手帳をお持ちの方が障害基礎年金2級を受け取った自閉スペクトラム症の事例があり、手帳を受けていない方が障害基礎年金2級を受け取った双極性感情障害・注意欠如多動性障害の事例もあります。行動としては、まず「手帳の有無」ではなく、上の表の①〜③のどれが確かめられていないかを書き出してください。次の章から、①から順に見ていきます。
条件①初診日|発達障害では「20歳以降の受診日」が初診日になることがある
初診日とは、障害のもとになった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです(出典:日本年金機構「障害年金」)。発達障害は低年齢で発症する病気なので、「生まれた時や子どもの頃が初診日になるのでは」と思われがちですが、障害認定基準には、はっきりと次の決まりが書かれています。
発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。
大人になってから発達障害とわかった方にとって、ここはとても大事な一文です。20歳以降に初めて受診したのであれば、その日が初診日になり、初診日に厚生年金に入っていれば障害厚生年金の対象になります。一方、知的障害を伴う場合は事情が変わります。知的障害は、障害認定基準で「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるもの」と定義されていて、20歳前に初診日があるものとして扱われます。整理すると次のとおりです。
| どんな場合か | 初診日の考え方 | 納付の要件 |
|---|---|---|
| 知的障害を伴わず、20歳以降に初めて受診した | その受診日が初診日。厚生年金に加入中なら障害厚生年金の対象になる | 必要 |
| 知的障害を伴わず、20歳前にすでに受診していた | 20歳前の受診日が初診日。20歳前の初診日として扱われる | 不要 |
| 知的障害を伴う | 発達期にあらわれた障害として、20歳前に初診日があるものとして扱われる | 不要 |
| 先に不眠やうつなどで受診していた | 同じ病気の症状での受診なら、その日が初診日になることがある | 初診日による |
📚 用語解説
初診日:障害のもとになった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日。診断名が確定した日ではありません。発達障害では、診断がつく前に不眠や気分の落ち込みで受診した日が初診日になることもあります。
20代のころ、眠れなくて心療内科に行ったことがあります。その時は「適応障害」と言われました。
それは大事な情報です。その受診が、いまの発達障害の症状によるものだったと言えるなら、その日が初診日になる可能性があります。初診日が早いほど、当時どの年金に入っていたかも変わってきます。診察券やお薬手帳、紹介状の控えが残っていないか、まず探してみてください。
初診日が1日違うだけで、障害基礎年金か障害厚生年金かが変わり、納付の要件の判定も変わります。思い込みで「たぶんこの日」と決めてしまうと、あとで資料と食い違って審査が止まることがあります。行動としては、受診の歴史を古いほうから順に書き出し、診察券・お薬手帳・領収書・紹介状を1か所に集めてください。ねんきんネットで年金の加入記録を見られる方は、その頃に国民年金と厚生年金のどちらだったかも並べて書いておきます。
条件②保険料の納付|初診日の「前日」で判定され、20歳前なら要らない
2つめの条件は、保険料の納付の要件です。日本年金機構の案内では、初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あることとされています。これを満たさない場合でも、初診日が令和18年3月末日までで、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日の時点で、初診日がある月の前々月までの直近1年間に未納がなければよいという特例があります(出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)。
納付の要件は、初診日ではなく初診日の前日の時点で判定します。初診日のあとに未納分をさかのぼって納めても、要件の判定には反映されません。発達障害は20代で受診が始まる方が多く、学生時代や就職前の未納が残っていると、ここでつまずくことがあります。
大事なのは、未納と免除は別物だということです。学生納付特例や保険料免除の手続きをしていた期間は、保険料を納めていなくても「免除期間」として数えられます。手続きをしないまま払っていない期間だけが「未納」です。発達障害の特性で、届出や支払いの手続きが苦手だった方ほど、ここの差が大きくなります。そして、20歳前の、年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この納付の要件そのものが不要です。
| 期間の種類 | 納付の要件での扱い |
|---|---|
| 保険料を納めた期間 | 納付済期間として数える |
| 全額免除・一部免除の期間 | 免除期間として数える |
| 学生納付特例・納付猶予の期間 | 免除期間として数える |
| 手続きをしないまま払っていない期間 | 未納。要件の判定で不利になる |
| 20歳前で制度に入っていない期間 | そもそも納付の要件が不要 |
大学生のころ、国民年金を払っていませんでした。これだと、もうだめでしょうか。
まだ結論は出せません。学生納付特例の届出をしていれば免除期間として数えますし、そもそも初診日が20歳前なら納付の要件は要りません。初診日がいつかが決まらないと判定もできないので、当センターでは無料相談のあと、納付の要件を調べるところまでは費用をいただかずに確かめています。
行動としては、ねんきん定期便かねんきんネットで、これまでの加入記録と納付の状況を確かめてください。学生の頃の記録は「学生納付特例」と表示されます。記録が手元にない場合は、年金事務所で「被保険者記録照会回答票」を出してもらう方法もあります。初診日の候補と加入記録を並べれば、②を満たしているかの見当がつきます。
初診日と納付の要件は、わかっていることだけで一緒に確かめられます(相談は無料です)
条件③障害の状態|発達障害の1級・2級・3級はこう書かれている
3つめが、障害の状態の要件です。障害認定基準は、発達障害について各等級に相当すると認められるものを例示しています。文章はそれぞれ1文ずつで、「社会性やコミュニケーション能力」がどの程度か、「不適応な行動」がみられるかどうか、その結果どれだけ援助が要るかで分かれています。
| 等級 | 障害認定基準の書き方(発達障害) |
|---|---|
| 1級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの |
| 2級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの |
| 3級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの |
出典は障害認定基準 第8節 精神の障害のE(4)です。読み比べると、1級は「欠如」「著しく不適応」「常時援助」、2級は「乏しく」「不適応」「援助が必要」、3級は「不十分」「社会行動に問題」「労働が著しい制限」と、言葉が段階になっていることがわかります。ここで注意したいのが、3級があるのは障害厚生年金だけだということです。初診日に国民年金だった方は、障害基礎年金の1級か2級に当てはまるかで判断されます。
障害厚生年金は、厚生年金の被保険者期間中に初診日があることが要件です(出典:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」)。会社に勤めていた時期に初めて受診していれば、3級や障害手当金という選択肢も出てきます。前の章で初診日を丁寧に探す意味は、ここにもあります。
基準の文章だけ読むと、自分がどこに当てはまるのかよくわかりません。
この文章だけで決めるわけではないので、大丈夫ですよ。実際の審査では、診断書に書かれた「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」という欄の評価を組み合わせて、等級の目安を出します。次の章から、その中身を順に見ていきましょう。
当センターでは、広汎性発達障害で障害基礎年金2級が認定された事例(2022年12月に請求)や、知的障害で障害基礎年金2級が認定された事例(2020年4月に請求・年額約100万円・子の加算あり)があります。行動としては、いまの診断名と、初診日に入っていた年金の種類(国民年金か厚生年金か)を1行ずつ書き出してください。この2つが決まると、ねらう等級の範囲が見えてきます。
等級を決める材料|診断書の「日常生活能力の判定」7項目と4段階
条件③の「障害の状態」は、文章の当てはめだけで決まるわけではありません。実際の審査で中心になるのは、精神の障害用の診断書の裏面にある2つの欄です。1つめが「日常生活能力の判定」で、次の7つの場面について、それぞれ4段階で評価します(出典:日本年金機構「精神の障害用の診断書を提出するとき」と、診断書(精神の障害用)の記載要領)。
| 7つの場面 | 診断書の様式に書かれている説明 |
|---|---|
| 適切な食事 | 配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど |
| 身辺の清潔保持 | 洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の清掃や片付けができるなど |
| 金銭管理と買い物 | 金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど |
| 通院と服薬 | 規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるなど |
| 意思伝達と対人関係 | 他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど |
| 安全保持と危機対応 | 事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど |
| 社会性 | 銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど |
表の左の列は、読みやすいように短くしています。様式に書かれている名前は、5番目が「他人との意思伝達及び対人関係」、6番目が「身辺の安全保持及び危機対応」です。4段階は、軽いほうから「できる」「自発的にできるが時には助言や指導を必要とする」「自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる」「助言や指導をしてもできない若しくは行わない」です。ここでいちばん大事なのが、様式に書かれている次の一文です。
判断にあたっては、単身で生活するとしたら可能かどうかで判断してください。
記載要領はさらに、入所施設やグループホーム、援助を行える家族との同居などで支援が常態化した環境で生活が安定している場合でも、単身でかつ支援がない状況で生活した場合を想定して記載すること、診察時の一時的な状態ではなく、現症日以前1年程度での変動を踏まえて判断することを求めています。2つめの欄が「日常生活能力の程度」で、7つの場面も含めた日常生活全般の制限の度合いを、5段階で包括的に評価します。2つの欄は、次のような入れ子の関係になっています。
📚 用語解説
日常生活能力の判定:診断書の裏面にある7項目の欄。各項目を4段階で評価します。単身で生活するとしたら可能かどうかで判断する決まりです。
📚 用語解説
日常生活能力の程度:診断書にある5段階の欄。(1)は「精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる」、(5)は「精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である」です。
実家で親に助けてもらっているので、何とか生活できています。これだと「できる」になってしまいますか。
いいえ、そこは逆です。支援があるから安定している場合でも、単身で支援がない状況を想定して書く決まりになっています。ご家族が毎日やってくれていることを一つずつ書き出して、主治医にお渡しください。診察室の中だけでは、ご家族がしていることは見えないんです。
行動としては、7つの場面をそのまま紙に書き写し、それぞれについて「自分一人だとどうなるか」「家族や支援者が代わりにしていること」を具体的に書いてみてください。買い物の回数、服薬の飲み忘れの頻度、役所の手続きを誰がしたかなど、数と事実で書くと伝わります。当センターでも、診断書の作成内容について事前に打ち合わせし、主治医にお伝えいただいたご相談者の声があります。
等級の目安はどう出すか|判定平均と程度を組み合わせた表1
精神の障害は、認定する人によって判断が分かれやすい分野です。実際、都道府県の間で不支給の割合に違いがあることが確認されたため、厚生労働省は平成28年9月から「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」を実施しています(出典:厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドラインの実施等について」平成28年7月15日 年管管発0715第1号)。てんかんを除く精神の障害が対象で、発達障害も含まれます。
ガイドラインの表1「障害等級の目安」は、縦に「判定平均」、横に「日常生活能力の程度」を並べた表です。判定平均は、前の章の7項目の4段階評価を、軽いほうから1〜4の数値に置きかえて平均したものです。ここでは読みやすいように、程度の段階ごとに並べかえて示します(表の「3級」は、障害基礎年金を認定する場合には「2級非該当」と読みかえます)。
| 程度の段階 | 判定平均ごとの等級の目安 |
|---|---|
| (5) | 3.5以上は1級。3.0以上3.5未満は1級か2級 |
| (4) | 3.5以上は1級か2級。2.0以上3.5未満は2級 |
| (3) | 3.0以上3.5未満は2級。2.0以上3.0未満は2級か3級。1.5以上2.0未満は3級 |
| (2) | 1.5以上2.5未満は3級か3級非該当。1.5未満は3級非該当 |
| (1) | 1.5未満は3級非該当 |
📚 用語解説
判定平均:診断書の「日常生活能力の判定」の7項目について、4段階の評価を軽いほうから1〜4の数値に置きかえ、その平均を出した数値。ガイドラインの表1で、等級の目安を引く時の縦軸になります。
表を見ると、判定平均と程度の両方が重いほど上位の等級に近づき、両方が軽いほど非該当に近づくことがわかります。表に出てこない組み合わせは、2つの評価の整合性が低く、参考となる目安がない所です。その場合は、診断書を作成した医師に内容を確認するなどしたうえで、ほかの記載内容から総合的に判断するとされています。2軸の図にすると、次のようになります。
この表に当てはめれば、自分の等級がわかるということですか。
目安であって、決定ではありません。ガイドラインにも「個々の等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されるものであり、目安と異なる認定結果となることもあり得る」と書かれています。表で当たりをつけたうえで、次の章の総合評価で何が見られるかを知っておくことが大事なんです。
ガイドラインは、目安が「2級又は3級」のように複数になる場合は、両方に当たる可能性を踏まえて慎重に判定するとしています。行動としては、いまの状態を7項目で自己採点し、判定平均をざっと出してみてください。そのうえで、程度の5段階のどれに近いかを考えます。2つの間に大きなずれがあるなら、その理由を主治医に伝えておくことが、あとで効いてきます。
いまの状態がどのあたりの目安になるか、わかる範囲で一緒に確かめます(相談は無料です)
目安のあとの総合評価|知能指数・不適応行動・感覚過敏も見られる
ガイドラインは、目安を参考にしつつ、表2「総合評価の際に考慮すべき要素の例」で挙げた要素を考慮して、認定医が専門的な判断にもとづいて総合的に判定するとしています。表2は「現在の病状又は状態像」「療養状況」「生活環境」「就労状況」「その他」の5つの分野に分かれていて、発達障害の欄が独立して設けられています。発達障害に関する記載を取り出すと、次のとおりです。
| 分野 | ガイドラインが発達障害について挙げている要素 |
|---|---|
| 現在の病状 | 知能指数が高くても日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行うことができない)場合は、それを考慮する |
| 現在の病状 | 臭気、光、音、気温などの感覚過敏があり、日常生活に制限が認められれば、それを考慮する |
| 療養状況 | 著しい不適応行動を伴う場合や精神疾患が併存している場合は、その療養状況も考慮する |
| 生活環境 | 在宅で、家族や重度訪問介護等から常時個別の援助を受けている場合は、1級または2級の可能性を検討する |
| その他 | 発育・養育歴、教育歴、専門機関による発達支援、発達障害自立訓練等の支援などについて、考慮する |
| その他 | 青年期以降に判明した発達障害については、幼少期の状況、特別支援教育またはそれに相当する支援の教育歴を考慮する |
出典は精神の障害に係る等級判定ガイドラインの表2です。この並びから読み取れるのは、発達障害の審査では「数字では表れにくい困りごと」を意識して拾おうとしている、ということです。障害認定基準にも、たとえ知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行うと書かれています(出典:障害認定基準 第8節 精神の障害E(2))。
ガイドラインの表2には、精神の障害に共通して考慮する要素も並んでいます。そのうち発達障害の方に関わりやすいのが、ひきこもりと、生活環境についての記載です。ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に制限が生じている場合は、それを考慮するとされています。生活環境については、独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合は、2級の可能性を検討するとされ、現に援助を受けていなくてもその必要がある状態の場合も含むと書かれています。入所施設やグループホーム、援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境で日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を考慮する、という点は診断書の書き方とも重なります。
📚 用語解説
不適応行動:診断書の記載要領が挙げている行為。自分の身体を傷つける行為、他人や物に危害を及ぼす行為、周囲の人に恐怖や強い不安を与える行為(迷惑行為や突発的な外出など)、著しいパニックや興奮、こだわり等の不安定な行動を指します。
併存する精神疾患があると、2つ分として足してもらえるのでしょうか。
足し算ではありません。障害認定基準では、発達障害とその他の認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定するとされています。ですから、分けて書くよりも、重なった結果どんな生活になっているかを一つの姿として伝えるのが大事です。
当センターの双極性感情障害・注意欠如多動性障害で障害基礎年金2級が認められた事例では、家事・食事・通院のすべてに家族の援助が必要で、一人で通院できず母親が送迎し、洗髪は4日に1度程度、母親が毎日自宅を訪問して食事の作り置きや掃除をしている、という生活の実態がありました。行動としては、感覚過敏・不適応行動・日々の援助について、「いつ・どこで・どれくらいの頻度で」を書き出して、診断書を依頼する時に主治医へ渡してください。
働きながらでも条件を満たすか|就労状況の見られ方
「働いていると障害年金はもらえない」と思い込んで、請求をあきらめる方が少なくありません。しかし、障害認定基準の発達障害の項には、次の一文がはっきり書かれています。
就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。
ガイドラインの表2も、就労状況の分野で発達障害について具体的な例を挙げています。一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、仕事の内容が保護的な環境下での専ら単純かつ反復的な業務であれば2級の可能性を検討する、執着が強く臨機応変な対応が困難であることなどにより常時の管理・指導が必要な場合は2級の可能性を検討する、他の従業員との意思疎通が困難で、かつ不適切な行動がみられることなどにより常時の管理・指導が必要な場合は2級の可能性を検討する、という3つです。
| 働き方 | ガイドラインでの扱い |
|---|---|
| 就労継続支援A型・B型、就労移行支援 | 1級または2級の可能性を検討する |
| 障害者雇用制度による就労 | 1級または2級の可能性を検討する |
| 一般企業や自営・家業での就労 | 同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する |
| 援助や配慮が常態化した環境 | その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する |
| 一般企業での就労(障害者雇用を除く) | 月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断する |
週に4日、短い時間ですが働いています。隠したほうがいいのでしょうか。
隠す必要はありませんし、隠してはいけません。大事なのは、どんな配慮を受けて働けているかを具体的に伝えることです。仕事の種類、任されている内容、指示の受け方、休みの取り方、職場で誰がどう手伝ってくれているか。そこまで書いて、はじめて実態が伝わります。
当センターの自閉スペクトラム症で障害基礎年金2級が認定された事例は、1日4時間程度の就労をしながらの請求でした。物をどこに置いたかわからなくなる、受診日時をすぐに忘れる、パニックを起こす、他者と円滑にコミュニケーションを取れない、といった困りごとが続いている状況です。知的障害で障害基礎年金2級が認定された事例も、介護職で働きながらの請求でした。行動としては、就業規則ではなく「実際に受けている配慮」を箇条書きにしてください。
申請の進め方|初診日の確認から結果が出るまでの流れ
条件の確かめ方がわかったら、次は手続きです。進め方は、どの病気でも大きな流れは同じですが、発達障害では「病歴・就労状況等申立書」の書き方に特有の注意点があります。まず、全体の流れを時系列で見ておきます。
3の「受診状況等証明書」は、初診の病院が今の病院と違う場合に、初診の病院へ書いてもらう証明書です。今の病院が初診の病院なら、診断書で初診日が確認できるため要りません。4では2つの書類を用意します。診断書は精神の障害用の様式を使い、主治医に書いてもらいます。病歴・就労状況等申立書は、発病から現在までの状況を、自分(または家族)の言葉で書く書類です(日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」)。
診断書の記載要領は、知的障害を伴わない発達障害について、判明したきっかけ(例えば、対人関係に多くの支障があったことや職場で臨機応変に対応できなかったことなど)および小児期に見られた発達障害をうかがわせる症状、行動等を、できるだけ詳しく記載するよう医師に求めています。申立書も同じ考え方で、発病後だけでなく幼少期から書いていくことになります。
📚 用語解説
病歴・就労状況等申立書:発病から現在までの受診の歴史、日常生活の状況、就労の状況を、請求する本人や家族が書いて出す書類。診断書と内容が食い違わないように書く必要があります。
幼稚園や小学校の頃のことなんて、よく覚えていません。
ご本人の記憶だけで書く必要はありません。通知表、母子健康手帳、連絡帳、ご家族の記憶。特別支援教育やそれに相当する支援を受けていたなら、その記録も手がかりになります。ガイドラインでも、青年期以降に判明した発達障害については幼少期の状況や教育歴を考慮するとされているので、ここは丁寧に集める価値があります。
審査の期間の目安は、当センターの案内では障害基礎年金で平均2〜3か月、障害厚生年金で平均3〜6か月で、難しい場合はそれ以上かかることもあります。行動としては、今週中に「幼少期・学生時代・就職後」の3つの区切りで、困っていたことを3行ずつでも書き出してみてください。そのメモが、診断書の依頼にも申立書にも使えます。
もらえる金額と、受け取る時の決まり|所得の制限もある
条件を満たして受給が決まると、いくら受け取れるのか。令和8年4月分からの障害基礎年金の年額は、昭和31年4月2日以後生まれの方で1級が1,059,125円、2級が847,300円です。生計を維持している子がいる場合は、2人目まで1人につき243,800円、3人目からは1人につき81,300円が加算されます(出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)。
初診日に厚生年金に入っていた場合は、1級・2級なら障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、2級に当たらない程度でも3級の障害厚生年金や障害手当金の対象になることがあります。3級には最低保障額があり、昭和31年4月2日以後生まれの方で635,500円です。1級・2級には配偶者の加給年金額243,800円が付く場合があります(出典:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」)。あわせて、障害基礎年金を受けている方は、障害年金生活者支援給付金の対象になることがあります。令和8年度の月額は1級が7,025円、2級が5,620円です(出典:日本年金機構「障害年金生活者支援給付金」)。
20歳前の傷病による障害基礎年金は、年金の加入を要件としていないため、本人の前年の所得によって支給が制限されます。前年の所得額が4,918,000円を超える場合は全額が支給停止、3,858,000円を超える場合は2分の1が支給停止です。扶養親族がいる場合は1人につき38万円が加算されます。支給停止となる期間は10月から翌年9月までです(出典:日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」)。
📚 用語解説
事後重症による請求:障害認定日には等級に当てはまらなかった方が、その後に症状が重くなったときにする請求。請求した日の翌月分から受け取れますが、請求書は65歳の誕生日の前々日までに出す必要があります。
何年も前から困っていたのですが、今から請求しても遅いでしょうか。
障害認定日の時点で等級に当てはまっていたなら、さかのぼって請求できます。ただし時効があり、さかのぼって受け取れるのは5年分までです。当時の状態がわかる診断書が取れるかどうかが分かれ目なので、まずは当時かかっていた病院に記録が残っているかを確かめましょう。
請求のしかたは2つあります。障害認定日による請求は、障害認定日の翌月分から(障害認定日のあとに20歳になったときは、20歳に達した日の翌月分から)受け取れますが、さかのぼれるのは時効により5年分までです。事後重症による請求は、請求した日の翌月分からの受け取りになります。行動としては、障害認定日(原則は初診日から1年6か月後)の頃にどの病院にかかっていたかを調べ、当時の診断書が書いてもらえそうかを確かめてください。実際の事例は受給事例の一覧で読めます。
発達障害の障害年金を、ひとりで進めるのが難しい理由
発達障害で障害年金を請求するとき、ひとりで進めきるのが難しい理由は3つあります。1つめは、初診日の考え方が、知的障害を伴うかどうか、20歳の前か後かで分かれることです。2つめは、審査の中心が「書類にどう書かれているか」であることです。日常生活能力の判定は単身で生活するとしたらどうかで書く決まりですが、診察室では困りごとが伝わりにくく、実態より軽い診断書になってしまうことがあります。3つめは、申立書を幼少期から書く必要があり、資料集めに時間と手間がかかることです。
では、どう進めればよいのか。考えられる進め方を一つずつ見ていきます。どれが悪いということではなく、「発達障害で条件を満たすかを確かめる」という今の状況に、それぞれがどこまで手が届くかの違いです。
| 進め方 | できること | 発達障害の請求で足りないこと |
|---|---|---|
| 自分ひとりで進める | 様式は日本年金機構のサイトで手に入り、自分で請求できる | 初診日の見立て、診断書の依頼の仕方、幼少期からの資料集めを、すべて自分で行う |
| 年金事務所に相談する | 制度や書類の説明、加入記録の確認、請求書の受付 | 診断書にどう書いてもらうか、申立書に何を書くかまでは手が届かない |
| 支援機関に相談する | 日々の生活や就労の相談、制度の案内 | 年金の審査でどの記載が効くかという、書類づくりの見立ては範囲の外になりやすい |
| 社会保険労務士に依頼する | 初診日の見立て、申立書の作成、病院への依頼、代理での申請 | 費用がかかる。障害年金をどれだけ扱っているかは事務所ごとに違う |
ひとりで進める方法は、費用はかかりませんが、表の右の列をすべて自分で背負うことになります。手続きや段取りが苦手という特性そのものが、請求の障壁になってしまうのが難しいところです。年金事務所は制度の説明と請求の受付をしてくれる大切な窓口ですが、診断書の中身や申立書の書き方まで一緒に組み立てる場所ではありません。支援機関は日々の生活の相談では心強い味方ですが、年金の審査で何が見られるかという知識は、事業所によって差があります。
書類の書き方で結果が変わるなら、どこに頼めばいいんでしょうか。
障害年金の請求を、ご本人に代わって進められる国家資格が社会保険労務士です。発達障害の請求は、初診日の見立てと、診断書・申立書をそろえる段取りが結果を左右するので、診断書を頼む前の早い段階で相談していただくのが近道です。
社会保険労務士は、社会保険労務士法にもとづいて、年金の請求書などの作成や、本人に代わっての手続きを仕事として行える国家資格です(出典:e-Gov法令検索「社会保険労務士法」第2条)。ですから、発達障害で条件を満たすか迷っている段階では、障害年金を多く扱っている社会保険労務士に、早めに相談するのが近道です。相談先を選ぶ時は、発達障害や精神の障害の受給事例を公開しているか、相談や納付要件の確認にどこまで費用がかかるか、外出が難しくても進められるか、の3点を確かめてみてください。
オフィス・テンポイントの障害年金サポート
オフィス・テンポイント(障害年金支援センター静岡)は、社会保険労務士・社会福祉士の梅田貴彦が代表を務める事務所です。発達障害で条件を満たすかどうかの相談も受けています。支援の特徴は、次の6つです。
LINE・メールで相談でき、保険料の納付要件を調べるところまでは費用がかからない
メール・LINE・電話で最後まで進められ、希望すれば面談もできる
初診日が確定できずに申請をあきらめる前に、申請できる道を一緒に探す
いつ・どこで・どんな病気で、どんな内容の診断書が何級に認定されたかの蓄積を使う
病歴・就労状況等申立書を作り、病院への証明・診断書の依頼をして、代理で申請する
受給が難しい場合も福祉の支援ができ、働き先の紹介まで行う
❶ 無料相談と、納付要件の確認まで無料
オフィス・テンポイント(障害年金支援センター静岡)では、LINEとお問い合わせフォームで無料相談を受け付けています。無料相談のあと、保険料の納付要件を満たしているかを調べるところまでは無料です(相談の流れのページの記載)。
この記事で見てきたとおり、発達障害では初診日の考え方が分かれ、納付の要件が要るかどうかもそこで決まります。費用がかかる前の無料相談の段階で、初診日の候補と納付の要件を一緒に確かめられます。
❷ 最初から最後まで、完全非対面で進められる
最初から最後まで、メール・LINE・電話を使った完全非対面で進められます。外出や対面が難しい方も利用できます。面談を希望する場合、静岡県内は無料で伺います(静岡圏外の場合は交通費の負担があります)。
発達障害の特性で、電話や対面の予約、外出そのものが負担になる方は少なくありません。非対面で進められるので、ご自宅から、文字でのやりとりを中心に相談を進められます。
❸ 初診日がわからない方の、申請の可能性を探す
「障害年金とは」のページで、初診日の確定ができずに申請を断念される方が多いことにふれ、初診日がわからない方のために、何とか申請ができるよう可能性を探ると案内しています。
大人になってから発達障害とわかった方は、昔の受診の記録が残っていないことがあります。初診日が確定できずにあきらめる前に、使えそうな道が残っていないかを一緒に探します。
❹ 約600件の診断書のデータベースを活用
約600件の診断書のデータベース(いつ・どこで・どんな病気で、どのような内容の診断書が何級の認定を受けたか)を活用し、的確な診断書の作成につなげています(はじめての方へのページの記載)。
発達障害の審査は、診断書に日常生活の制限がどう書かれているかが中心です。どんな内容の診断書がどの等級の認定を受けたかの蓄積を生かし、実態が伝わる診断書の作成につなげます。
❺ 申立書の作成から、代理での申請まで
契約のあと、発病から今までの状況を書く「病歴・就労状況等申立書」を作成し、医療機関に受診状況等証明書と診断書の作成を依頼します。書類がそろい次第、代理で申請します(相談の流れのページの記載)。
発達障害の申立書は、幼少期から今までを順に書く必要があり、診断書との食い違いが起きやすい書類です。書類づくりから病院への依頼、代理での申請までを一つの事務所で行うので、内容をそろえながら進められます。
❻ 社会福祉士として、福祉と「はたらく」まで支える
代表の梅田貴彦は社会保険労務士と社会福祉士の資格を持っています。面談の結果、障害年金の受給が難しい場合でも福祉の支援は可能で、働き先の紹介まで行い、生活の基盤づくりを手伝っています(はじめての方へのページの記載)。
条件を満たさず障害年金の受給が難しい場合でも、そこで終わりにはしません。社会福祉士として、使える福祉の制度や、特性に合った働き先の相談まで一緒に考えます。
ご相談から申請までの流れは次のとおりです(相談の流れの記載)。審査の期間の目安は、障害基礎年金で平均2〜3か月、障害厚生年金で平均3〜6か月で、難しい場合はそれ以上かかることもあると案内しています。
電話で話すのが苦手なのですが、相談できますか。
もちろんです。LINEやメールの文字だけでも進められますし、最初から最後まで非対面で完結できます。静岡県外の方もご相談いただけます。面談をご希望の場合、静岡県内は無料で伺い、県外は交通費のご負担をお願いしています。まずは今の状況をお聞かせください。
発達障害や精神の障害の事例は、受給事例の一覧で読めます。たとえば広汎性発達障害で障害基礎年金2級が認定された事例があります。はじめて相談される方ははじめての方へと障害年金とはもあわせてご覧ください。相談は無料です。今わかっていることだけで構いませんので、LINEかメールでお送りください。
条件を満たすかどうか、わかっていることだけで一緒に確かめましょう
まとめ|条件は3つ、分かれ目は初診日と「生活の制限」の伝え方
発達障害で障害年金をもらえる条件を、もう一度整理します。条件は①初診日、②保険料の納付、③障害の状態の3つで、すべてを満たす必要があります。発達障害に特有の論点は①と③に集まり、①は20歳の前か後か・知的障害を伴うかどうかで分かれ、③は知能指数ではなく日常生活の制限の度合いで判断されます。
読んでみて、自分でも当てはまるかもしれないと思えてきました。まず何から始めればいいですか。
まずは、初めて受診した日の手がかりと、いまの生活で困っていることを書き出してみてください。その2つがあれば、条件の①と③の見当がつきます。書き出したものを見ながら、一緒に次の一手を考えましょう。
発達障害は、低年齢で発症していても、大人になってから判明することがあります。そのときに「子どもの頃からだから対象外では」と思い込んで請求をあきらめる必要はありません。国の基準には、知的障害を伴わない場合は20歳以降の受診日を初診日とすることや、知能指数が高くても生活の制限に着目して認定することが、はっきり書かれています。まずは、覚えていることと手元にある物を書き出すところから始めてください。
書き出したメモを見ながら、条件を満たすかを一緒に確かめます(相談は無料です)
よくある質問
| よくある質問 | くわしい説明がある章 |
|---|---|
| 手帳がなくても請求できるか | 発達障害は障害年金の対象になる |
| 大人になって診断されたときの初診日 | 条件①初診日 |
| 働いていても条件を満たすか | 働きながらでも条件を満たすか |
| 診断書で何を見られるか | 等級を決める材料 |
| いくら受け取れるか | もらえる金額と、受け取る時の決まり |
Q. 障害者手帳を持っていなくても、障害年金を請求できますか?
A. できます。精神障害者保健福祉手帳と障害年金は別の制度で、判断する人も使う書類も違います(厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」)。手帳の等級と障害年金の等級は一致するとは限らず、手帳がなくても診断書で請求できます。
Q. 大人になってから発達障害と診断されました。初診日はいつになりますか?
A. 障害認定基準では、知的障害を伴わない方が発達障害の症状により初めて受診した日が20歳以降であった場合は、その受診日を初診日とするとされています(障害認定基準 第8節 精神の障害E(3))。ただし、診断名がつく前に不眠や気分の落ち込みなど同じ病気の症状で受診していた場合は、その日が初診日になることがあります。
Q. 知能指数が高いと、障害年金の条件を満たさないのでしょうか?
A. そうとは限りません。障害認定基準は、たとえ知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う、としています。ガイドラインの表2にも同じ趣旨の記載があります(精神の障害に係る等級判定ガイドライン)。
Q. 発達障害とうつ病が併存しています。等級は足し算になりますか?
A. 足し算にはなりません。障害認定基準では、発達障害とその他の認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定するとされています。重なった結果どんな生活になっているかを、一つの姿として書類に反映することが大切です。
Q. 障害年金を受け取ると、所得の制限はありますか?
A. 20歳前の傷病による障害基礎年金には所得による支給の制限があります。前年の所得額が4,918,000円を超えると全額、3,858,000円を超えると2分の1が支給停止です(日本年金機構)。初診日が20歳以降で、保険料を納めて受け取る障害年金には、この所得の制限はありません。
Q. 一度「2級非該当」と決定されました。もう請求できませんか?
A. 症状が重くなった場合は、事後重症による請求ができます(請求書は65歳の誕生日の前々日まで)。決定に不服があれば、決定を知った日の翌日から3か月以内に審査請求もできます(社会保険審査官及び社会保険審査会法)。診断書の書かれ方が実態と違っていた場合は、記載要領を参考に、改めて伝え方を整えることもできます。
参考にした資料(確認日:2026年10月17日)
- 厚生労働省・日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害」(D知的障害・E発達障害)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-8.pdf - 厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20160715.files/A.pdf - 厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドラインの実施等について」(平成28年7月15日 年管管発0715第1号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2102&dataType=1&pageNo=1 - 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」(令和8年4月分から)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html - 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」(令和8年4月分から)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html - 日本年金機構「障害年金」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html - 日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20200805.html - 日本年金機構「障害年金生活者支援給付金」(令和8年度の月額)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/syougai.html - 日本年金機構「精神の障害用の診断書を提出するとき」(様式・記入上の注意・記載要領)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140421-23.html - 日本年金機構「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」(医師向け)
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140421-23.files/04-3.pdf - 日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20140516.html - e-Gov法令検索「発達障害者支援法」第2条(平成16年法律第167号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC1000000167 - e-Gov法令検索「社会保険労務士法」第2条
https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - e-Gov法令検索「社会保険審査官及び社会保険審査会法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000206 - 厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html - 障害年金支援センター静岡「相談の流れ」
https://office-tenpoint.com/flow

監修者の紹介
梅田 貴彦
社会保険労務士・社会福祉士
社会保険労務士法人オフィス・テンポイント 代表社員
労働・社会保険と福祉の架橋になります。事務所理念より
- 大学卒業後一般企業の営業職に従事したのち、福祉の世界へ
- 2007年社会福祉士を取得。居宅のケアマネジャーとして、人々のリタイア後の生活に触れる
- 2013年社会保険労務士試験に合格。労働・社会保険と福祉の連携で救われる人は多いと感じ、起業を決意
- 2014年社会保険労務士事務所を開業
- 2017年事務所を法人化し、社会保険労務士法人オフィス・テンポイントに
- 現在障害年金支援センター静岡を運営。成年後見 ぱあとなあ静岡、障害年金支援ネットワークの会員
受給事例・相談者の声は、当センターのサイトに載せている件数(2026年10月14日時点)。診断書のデータベースは「はじめての方へ」のページの記載。経歴は、事務所&社労士紹介のページと、テンポイントグループのセミナーポータルの代表紹介の記載です。
