2026年10月14日 障害年金コラム

障害年金の初診日がわからない時の探し方|証明が取れない時の5つの方法

障害年金の初診日がわからない時の探し方|証明が取れない時の5つの方法
ご相談者相談者

障害年金の申請を考えています。でも、最初に病院へ行ったのは20年近く前で、どこの病院だったかもはっきり覚えていません。今の病院では「初診日の証明がないと難しいかもしれない」と言われました。もう、あきらめるしかないのでしょうか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

あきらめるのは、まだ早いですよ。初診日はとても大切な日ですが、初診の病院の証明が取れない時に使える方法が、国の通知ではっきり決められています。この記事では、初診日がなぜ大事なのか、どの順番で探すか、証明書が取れない時の5つの方法、集める資料、一度だめだった時の進め方まで、順番にお話ししますね。

結論からお伝えします。初診日がわからなくても、①記憶と手元の記録で候補を絞る、②初診の病院に「受診状況等証明書」を頼む、③取れなければ2番目以降の病院や古いカルテをたどる、④それでも足りなければ第三者証明や「一定の期間」などの方法を使う、という順番で進めれば、請求までたどり着ける道があります。大切なのは、思い込みで日付を決めないことと、集めた書類どうしの話をそろえることです。

この記事は、静岡県で障害年金のご相談を受けている社会保険労務士・社会福祉士の梅田貴彦が監修しています。日本年金機構と厚生労働省の資料(2026年10月14日に確認)にもとづいて書き、当センターで実際にあった受給事例も紹介します。

障害年金の「初診日」とは|受給の3つの要件すべてにかかわる日

初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです(出典:日本年金機構「障害年金」)。障害年金を受け取るための要件は大きく3つありますが、そのすべてが初診日を基準に判断されます。まず、要件と初診日の関係を表で整理します。

要件内容(障害基礎年金の場合)初診日との関係
初診日の要件初診日に国民年金に加入している。20歳前や、60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間も含む初診日に入っていた年金で、障害基礎年金か障害厚生年金かが決まる
保険料の納付の要件初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの加入期間の3分の2以上が納付済みか免除。または初診日が令和18年3月末日までで65歳未満なら、直近1年間に未納がない「初診日の前日」の時点で判定する。日付がずれると結果が変わることがある
障害の状態の要件障害認定日に、障害等級表の1級・2級に当てはまる(障害厚生年金は3級もある)障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を過ぎた日

表は日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」の記載をもとにしています。つまり、初診日がわからないと、どの年金の対象か、保険料の要件を満たすか、いつの障害の状態で判断するかの3つが、どれも決まりません。初診日の特定が「障害年金の入口」と言われるのはこのためです。20歳前の、年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料の納付の要件はありません。

📚 用語解説

初診日:障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日。病名が確定した日ではなく、その病気やけがで初めて診療を受けた日を指します。

📚 用語解説

障害認定日:障害の程度を判断する日。原則として初診日から1年6か月を過ぎた日で、それより前に病気やけがが治った(症状が固定した)場合は、その日になります。

年額 障害基礎年金 1級 105.9万円 障害基礎年金 2級 84.7万円 子の加算(2人目まで) 24.4万円 子の加算(3人目以降) 8.1万円
障害基礎年金の年額(令和8年4月分から・昭和31年4月2日以後生まれ。1,000円の位を四捨五入)(横棒比較図)

障害基礎年金の年額は、令和8年4月分から、1級が1,059,125円、2級が847,300円です(昭和31年4月2日以後生まれの方)。生計を維持している子がいる場合は、2人目まで1人につき243,800円、3人目からは1人につき81,300円が加算されます(出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)。初診日に厚生年金に加入していた場合は、1級・2級なら障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、2級に当たらない程度の障害でも3級の障害厚生年金や障害手当金(一時金)の対象になることがあります。初診日が会社員の時期か、退職後かで、受け取れる年金が大きく変わるということです。

ご相談者相談者

初診日って、病名がついた日のことですか? 私は最初、別の病名で通っていたんです。

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

病名がついた日ではなく、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。最初は別の病名で診てもらっていても、同じ病気の症状で受診していたなら、その日が初診日にあたることがあります。どの受診が初診にあたるかは、書類を見ながら一緒に確かめていきましょう。

もう一つ大事な考え方があります。いまの障害の原因となった病気の前に、それと相当因果関係のある病気があるときは、最初の病気の初診日が、いまの病気の初診日として扱われます(出典:厚生労働省 社会保険審査会裁決例。障害認定基準の考え方として示されています)。当センターの事例でも、糖尿病から人工透析に至った方の初診日を、糖尿病で受診し始めた頃までさかのぼって確かめたケースが多くあります(糖尿病・人工透析で障害厚生年金2級が認められた事例)。ですから、最初にやるべきことは「いまの病院に通い始めた日」ではなく、「いまの病気につながる最初の受診はいつか」を、少し広めに考えることです。

初診日がわからない時にまずやること|記憶と手元の記録で候補を絞る

初診日がわからない時、最初にするのは病院への電話ではありません。いつ・どこで・何があったかを時系列で書き出し、初診日の候補を絞ることです。候補が決まらないまま問い合わせると、どの病院に何を頼めばよいかがぶれて、時間ばかりかかってしまいます。書き出す項目と、手がかりになる記録の例は次のとおりです。

書き出す項目手がかりになる記録の例
いつ頃から症状が出たか日記・手帳・家族の記憶・当時のメールや写真
最初に行った病院・診療科診察券・医療機関や薬局の領収書・お薬手帳
転院や紹介の流れ紹介状の控え・2番目以降の病院の記録
その頃の勤め先と年金の加入ねんきん定期便・ねんきんネットの加入記録
保険の請求や手帳の申請生命保険の給付請求の控え・障害者手帳の申請時の診断書

書き出すと、「この頃にはもう通っていた」「この会社にいた頃に体調を崩した」といった区切りが見えてきます。これが、あとで使う「一定の期間」の考え方や、2番目以降の病院をたどる時の地図になります。年金の加入記録も並べておくと、候補の日に国民年金・厚生年金のどちらに入っていたか、保険料の要件を満たしていそうかも見当がつきます。

発症 最初の症状 日記・家族の記憶 初診 最初の病院 診察券・領収書 転院 2番目の病院 紹介状・カルテ 現在 今の病院 診断書 請求 年金の請求 書類をそろえる
受診の歴史を時系列に並べ、どの時期にどんな記録が残りやすいかを確かめる(タイムライン図)
ご相談者相談者

書き出すと言っても、昔のことで、ほとんど覚えていないんです…。

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

最初から正確でなくて大丈夫ですよ。「○年の春ごろ、会社の近くの内科」くらいの書き方で十分です。ご家族に聞いたり、引き出しの診察券を探したりするうちに、少しずつ思い出す方が多いんです。当センターでも、20年ほど前の受診の記憶を一つずつたどって、健康診断をした機関の記録で初診日を確かめられた方がいます。

いま紹介したのは、腎不全・腎硬化症で障害厚生年金2級が認定された事例です。初診は20年ほど前で、カルテの保存期間を大きく過ぎていましたが、受診の記憶を丁寧に聞き取り、複数の医療機関に問い合わせた結果、健康診断を実施した機関で初診日を確定できました。書き出しは、次のような流れで進めると止まりにくくなります。

思い出す
→
書き出す
→
手元の記録を集める
→
病院に問い合わせる
💡 書き出しのコツ

日付がわからない所は「○年○月ごろ」「○○社にいた頃」と、わかる範囲の区切りで書きます。ご本人だけで思い出すのがつらい時は、ご家族や当時を知る人に、覚えていることを聞いてメモしておきましょう。あとで第三者証明を頼む相手を探す時にも、このメモが役立ちます。

行動としては、今週中に「症状が出た頃」「最初の病院」「転院」の3点だけでも紙に書き、家にある診察券・領収書・お薬手帳を1か所に集めてください。ねんきんネットで加入記録を見られる方は、その頃の加入状況も書き添えます。ここまでできれば、次の「初診の病院に証明を頼む」段階に進めます。

初診の病院に「受診状況等証明書」を頼む|カルテが残っているか先に確かめる

初診日の確認は、通常、初診時の医療機関が作成した「受診状況等証明書」または診断書で行います(出典:日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」)。今の病院が初診の病院なら、診断書で初診日が確認できるため、受診状況等証明書は要りません。初診の病院が別にある場合は、その病院に証明書を書いてもらうのが最初の一手です。

📚 用語解説

受診状況等証明書:初診の医療機関に、初診日や受診の経過をカルテにもとづいて書いてもらう証明書。日本年金機構の様式があり、障害年金の請求書に添えて出します。

病院に確かめること聞き方の例
カルテが残っているか「○年ごろに受診した記録は残っていますか」と、まず電話で尋ねる
カルテ以外の記録受付の記録・入院の記録・紹介状の控えなどが残っていないか
保管場所倉庫や別の施設、電子カルテに移していないか
廃院・統合の場合診療を引き継いだ医療機関や、カルテを預かっている所はどこか
頼み方様式を郵送して頼めるか、費用と仕上がりまでの日数

医師法第24条では、診療録(カルテ)の保存期間は5年間と定められています(出典:e-Gov法令検索「医師法」)。そのため、5年以上前の受診は、カルテが処分されていることがあります。ただし、5年を過ぎても記録が残っている病院や、廃院のあとに別の場所でカルテが保管されている例もあります。問い合わせる前から「ないはず」と決めつけないことが大切です。

初診から請求までの年数 初診 カルテが作られる 5年 法律の保存期間 5年を過ぎても 残っていることも 請求 いまここ
カルテの法律上の保存期間は5年。過ぎても、記録が残っている場合がある(1軸ポジション図)
ご相談者相談者

病院に「5年以上前のカルテはありません」と言われたら、そこで終わりですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

そこで終わりではありません。カルテ以外の記録が残っている病院もありますし、証明が取れない時の方法も国の通知で決まっています。取れなかった事情は「受診状況等証明書が添付できない申立書」に書いて、次の手を考えましょう。廃院した病院でも、引き継いだ病院にカルテが残っていて、証明書を書いてもらえた方がいますよ。

梅田が話した例は、慢性腎不全・人工透析で障害基礎年金2級が認定された事例です。初診時の病院はすでに廃院していましたが、引き継いだ病院に問い合わせると、カルテが別の場所に保存されていました。当時のカルテをもとに受診状況等証明書を作成してもらえ、人工透析を始めた日もわかったため、障害認定日にさかのぼって請求し、5年分の年金をさかのぼって受け取ることができました。

行動としては、①電話で記録の有無を尋ねる、②記録があれば日本年金機構の様式を送って作成を頼む、③記録がなければ「いつ、だれに、どう言われたか」をメモしておく、の3つです。遠方の病院でも、郵送で頼める場合があります(当センターでも、県外の初診の病院に郵送でお願いしたご相談者の声があります)。体調がすぐれない時は、ご家族に電話を代わってもらうのも一つの方法です。

初診の病院で証明が取れない時|2番目以降の病院と「5年以上前のカルテ」をたどる

初診の病院で証明書が取れない時は、まず「受診状況等証明書が添付できない申立書」を書きます。そのうえで、次に受診した病院(2番目、3番目…)へ順にさかのぼり、カルテに前の病院のことが書かれていないかを探します。手順と書類は日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」に、扱いの考え方は厚生労働省の通知に示されています。

📚 用語解説

受診状況等証明書が添付できない申立書:初診の医療機関で受診状況等証明書が取れない時に、その理由(カルテの廃棄・廃院など)と、手元にある参考資料を書いて出す書類。日本年金機構の様式があります。

2番目以降の病院で見る所わかること
紹介状前の病院の名前と、紹介された時期
カルテの「前医」「既往歴」の欄前の病院でいつ頃から診てもらっていたか
カルテが書かれた時期請求の5年以上前に書かれた記録かどうか
受診状況等証明書の記載前の病院での受診の経緯を書いてもらえるか

厚生労働省の通知では、請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録など)に、本人が申し立てた初診日が書かれている場合は、その日を初診日と認めることができるとされています。5年以上前ではなくても相当程度前に作られた資料なら、診察券や入院記録など、本人の申し立て以外の記録とあわせて認められることがあります(出典:厚生労働省「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」)。請求よりずっと前に、本人が医師に話した内容がカルテに残っていることに、重みがあるという考え方です。

よくある壁 次の一手 初診の病院が廃院 引き継ぎ先を探す カルテが残っていない 2番目の病院の記録 カルテに前医の記載 5年以上前なら有力 どこにも記録がない 添付できない申立書へ
初診の病院で証明が取れない時の「よくある壁」と「次の一手」(対応図)
ご相談者相談者

2番目の病院のカルテに、前の病院のことが書いてあるかもしれないんですね。

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

そうなんです。当センターでも、最後にたどり着いた病院のカルテに「前に別の病院にかかっていたらしい」と書かれていたことから、当時の勤め先の健康診断の記録を取り寄せ、意見書を付けて請求した事例があります。手がかりは、思いがけない所に残っていることがあるんですよ。

この事例は双極性障害で障害厚生年金2級が認定された事例です。はっきりした日付までは特定できませんでしたが、健康診断の記録と年金の記録をもとに意見書を作成して請求し、主張が認められました。2番目以降の病院に証明書を頼む時は、カルテに前の病院の名前や受診の時期が書かれていれば、その内容も証明書に書いてほしいとお願いしましょう。

⚠️ 本人が話した内容だけの書類には注意

医療機関が作った書類でも、最近になって本人が申し立てた初診日をそのまま書き写しただけのものは、初診日の参考資料としては不十分とされています(厚生労働省の通知)。古い記録ほど重みがあるため、新しく書いてもらうより先に、当時の記録が残っていないかを探すのが近道です。

行動としては、2番目以降の病院に「前の病院のことがカルテに書かれていないか」「そのカルテはいつ書かれたものか」を尋ね、書かれていれば受診状況等証明書かカルテの写しをもらいます。初診の病院の分は「添付できない申立書」に、問い合わせた日・相手・返事を書いておきます。この2つがそろうと、次の章で紹介する5つの方法のどれを使うかが決めやすくなります。

証明書が取れない時に使える5つの方法|国の通知で決められた道

初診の病院の証明が取れない時に使える方法は、思いつきの裏ワザではありません。平成27年10月1日から省令が改正され、初診日を証明する書類が添付できない場合でも、初診日を合理的に推定できる一定の書類があれば、本人が申し立てた日を初診日と認められるようになりました(出典:日本年金機構の案内「平成27年10月1日から、障害年金の初診日を確認する方法が広がります」)。いま使える方法を、日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」にそって5つに整理すると、次のとおりです。

方法使える人用意するもの
①第三者証明(2通)と参考資料20歳以降に初診日がある人添付できない申立書・第三者証明2通・初診日の参考資料
②医療従事者による第三者証明(1通)初診の頃の担当医や看護師などに証明してもらえる人添付できない申立書・医療従事者の第三者証明1通
③一定の期間の取扱い初診日が「この期間のどこか」とわかる人添付できない申立書・期間の始まりと終わりを示す資料(制度をまたぐ時は初診日の参考資料も)
④請求の5年以上前のカルテ等古いカルテに、本人が話した初診日が書かれている人添付できない申立書・5年以上前に作られたカルテの写し等
⑤20歳前の初診日の簡素化20歳前に初診日があり、その頃は厚生年金に未加入だった人2番目以降の病院の証明、18歳6か月前に交付された障害者手帳、第三者証明など

どの方法も、出発点は前の章で書いた「受診状況等証明書が添付できない申立書」です。そこに、どの資料を組み合わせるかで方法が分かれます。①②は人の証言で、③は初診日のある時期を示す記録で、④は昔のカルテで、本人が申し立てた初診日を裏付けます。⑤は、20歳前に受診していたことさえ示せればよい、という手続きを簡単にした方法です。図にすると、手がかりの種類と、日付まで示すのか時期だけ示すのかで、位置が分かれます。

人の証言 ← 何で示すか → 書類の記録 示す細かさ 証言で日付 記録で日付 証言で時期 記録で時期 ①第三者証明+資料 ②医療従事者の証明 ④5年以上前のカルテ ③一定の期間 ⑤20歳前の簡素化
5つの方法を「何で示すか」と「日付まで示すか、時期で示すか」で分けた図。上ほど日付まで示す(2軸マトリクス図)
ご相談者相談者

こんなに方法があるなんて、知りませんでした。私はどれを選べばいいんでしょう?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

手元にある物と、まわりの人で決まります。当時を見ていた人がいれば第三者証明、期間なら示せるなら一定の期間、20歳前の病気なら簡単にできる方法…というように、一つに絞るより、使えるものを組み合わせて考えます。最後は、出した資料全体を見て総合的に判断されるので、資料どうしの話がそろっていることが大事なんです。

厚生労働省の通知でも、初診日の証明がない場合であっても、2番目以降の医療機関の証明など提出された様々な資料や、病気の性質に関する医学的な判断を総合的に見て、本人の申し立てた初診日が正しいと合理的に推定できれば認める、とされています(出典:厚生労働省通知の第3の5)。逆に言えば、資料どうしで日付や病院名が食い違うと、せっかく集めた資料が弱くなってしまいます。

年月まではわかるが、日付がわからない時

資料で初診日の年月まではわかるのに日付が特定できない時は、その月の末日を初診日とする扱いがあります。ただし、その月に国民年金と厚生年金など異なる年金制度に加入していた場合は、月末を初診日とはしません(出典:厚生労働省通知の第3の4)。

健康診断で異常を指摘された日は、原則として初診日にはならず、初めて治療のために医療機関を受診した日が初診日になります。ただし、治療目的の受診の証明が得られず、健康診断の結果がすぐに治療が必要な内容だった場合は、本人の申し立てにより健診日を初診日とする扱いもあります(出典:同通知の第3の3)。行動としては、表の5つのうち「自分に当てはまりそうなもの」に印を付け、手元の資料の一覧と並べてみてください。当てはまる方法が見えたら、次の章から、それぞれの集め方を確かめましょう。

初診日の手がかりが少なくても、使える方法を一緒に探します(相談は無料です)

第三者証明の頼み方と書き方|だれに頼めて、何を書いてもらうか

第三者証明は、初診日の頃の受診の様子を見たり聞いたりした人に、その内容を書いてもらう書類です。正式な名前は「初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)」で、日本年金機構の様式があります(日本年金機構「障害年金の請求手続き等に使用する診断書・関連書類」)。20歳以降に初診日がある場合は、原則として2人分の第三者証明と、初診日の参考資料をあわせて出します。初診の頃の担当医や看護師など、受診の様子を直接見ていた医療従事者の証明なら、1人分でも認められることがあります。

📚 用語解説

第三者証明:「初診日に関する第三者からの申立書」のこと。初診日の頃の受診状況を見たり聞いたりした第三者が、当時知った内容を書く書類。医療機関の証明が取れない時に、初診日を推定するための資料になります。

📚 用語解説

三親等内の親族:配偶者と、親・子・兄弟姉妹・祖父母・孫・おじ・おば・おい・めい、配偶者の親や兄弟姉妹など、民法で三親等以内にあたる親族。第三者証明はできません。

頼む相手扱い
隣人・友人・民生委員などの第三者原則2人分が必要。当時の受診の様子を見たり聞いたりしたことを書いてもらう
初診の頃の担当医・看護師などの医療従事者受診の様子を直接見ていた人なら、1人分でも認められる
請求する人の三親等内の親族第三者証明はできない

書いてもらえる内容にも決まりがあります。①初診日の頃の受診の様子を直接見て知っていた、②初診日の頃に、本人や家族から受診の様子を聞いていた、③請求の時からおおむね5年以上前に、本人や家族から受診の様子を聞いていた、のいずれかに当たる内容です。請求の直前(おおむね5年以内)に聞いた話だけの証明は、原則として認められません(出典:日本年金機構「初診日証明書類のご案内」・厚生労働省通知)。20歳前に初診日がある障害基礎年金では、第三者証明だけでも、内容を総合的に見て初診日が認められることがあります。

周りの人 当時を知る人を探す 親族以外の人 三親等内の親族は不可 見聞きした人 原則2人分が必要 医師・看護師 1人分でもよい
第三者証明を頼める人の範囲。内側ほど、証明として認められやすい立場(包含関係図)
ご相談者相談者

当時のことは家族が一番よく知っているのに、家族は書けないんですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

はい、配偶者や親・兄弟など三親等内の親族は、第三者証明ができません。でも、ご家族の記憶はとても役に立ちます。「あの頃だれがお見舞いに来てくれたか」「だれに病院の話をしたか」を思い出してもらうと、頼める人が見つかることが多いんです。

第三者証明の様式の記入要領(日本年金機構「第三者証明を記入される方へ」)では、次の項目を、申立者が当時知った内容だけで書くよう求めています。記入できない項目があってもかまいません。

書いてもらう項目書き方のポイント
受診状況を知った状況付き添った・お見舞いに行った・本人から聞いた、など具体的に
発病から初診までの症状病気やけがが起きてから初めて受診するまでの様子
受診のきっかけ何がきっかけで病院に行ったか
日常生活の支障当時、生活のどんな場面で困っていたか
医師からの指示など日常生活・学校・仕事について、医師から受けていた指示や注意
頼める人を探す
→
当時のことを書いてもらう
→
参考資料をそろえる
→
申立書と一緒に出す
⚠️ 頼む時に気をつけること

最近になって本人や家族から聞いた話は書かず、当時知ったことだけを書いてもらいます。申立書には連絡先を書く欄があり、後日、内容を確かめる電話がかかってくることがあります。平日の日中に連絡がつく番号を書いてもらい、頼んだ相手にもそのことを伝えておきましょう。

行動としては、まずご家族と一緒に、ご近所・友人・当時の職場の人など「当時のことを知っていそうな人」の名前を書き出し、連絡先がわかる人から順に、事情を話して協力をお願いします。お願いする時は、日本年金機構の記入要領を一緒に渡すと、相手も書きやすくなります。どうしても2人そろわない時は、受診にいたる経過や病院でのやりとりが具体的に書かれていて、信用できると認められれば、1人分の証明でも認められることがあります(出典:厚生労働省通知の第1の1(2)③)。だからこそ、人数よりも、当時のことを具体的に覚えている人に頼むことが大切です。

第三者証明と組み合わせる参考資料の集め方|家・勤め先・保険会社・役所

20歳以降に初診日がある場合、第三者証明だけでは足りず、申し立てた初診日について客観的に裏付ける「参考資料」が要ります。日本年金機構「初診日証明書類のご案内」が例に挙げているのは、次のような資料です。

参考資料の例主な置き場所見るポイント
診察券・入院記録自宅・医療機関発行日(受診日)と診療科
医療機関や薬局の領収書自宅日付・医療機関名・診療科
生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書保険会社・勤め先傷病名と発病・初診の時期
障害者手帳の申請時の診断書市区町村など発病や初診の時期の記載
交通事故証明書本人・警察の記録事故が原因の病気やけがの時期
インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー医療機関治療の経過
事業所等の健康診断の記録当時の勤め先異常の指摘と受診の指示
健康保険の給付記録(レセプトを含む)健康保険の保険者受診した月と医療機関

診察券や入院記録については、厚生労働省の通知に具体的な扱いがあります。精神科のように、いまの病気で受診した可能性が高いと判断できる診療科なら、診察券などで確認できた日を初診日と認められることがあります。内科のように、それだけでは判断できない診療科の場合は、ほかの参考資料とあわせて認められることがあります(出典:厚生労働省通知の第3の2)。同じ診察券でも、診療科によって重みが変わるということです。

探す場所 見つかりやすい資料 自宅の引き出し・箱 診察券・領収書・お薬手帳 当時の勤め先 健康診断の記録 保険会社 給付申請時の診断書 市区町村 手帳申請時の診断書 健康保険の保険者 給付記録(レセプト)
参考資料を「探す場所」と「見つかりやすい資料」で対応させた図(対応図)
ご相談者相談者

日記や家計簿みたいな、病院以外の記録でも役に立つことはあるんですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

当センターでは、親御さんが残していた詳しい日記を資料として付けた事例があります。どんな記録が使えるかは中身しだいですが、「こんな物は関係ない」と捨ててしまう前に、一度見せてください。昔の勤め先に、受診の記載がある書類が残っていた方もいます。

日記の例は慢性肝炎・人工透析で障害基礎年金2級が認定された事例です。幼い頃の発病で30年以上前のカルテはありませんでしたが、親御さんの詳しい日記を資料にしました。人工肛門で障害厚生年金3級が認定された事例では、初診日が30年以上前で病院にも本人にも記録がない中、当時の勤め先に連絡して、受診の記載がある資料を探し出しました。慢性腎不全・人工透析で障害厚生年金2級が認定された事例では、保険の請求をした時の診断書と、身体障害者手帳を取った時の診断書を取り寄せ、保険の記録と照らし合わせて意見書を付けています。

健康保険の給付記録(レセプト)は、加入していた健康保険の保険者に開示を求める方法がありますが、保存されている期間には限りがあります。障害者手帳の申請時の診断書も、手帳を交付した自治体に開示を求められる場合があります。行動としては、表の置き場所ごとに「あるかもしれない」に印を付け、自宅→勤め先→保険会社→役所の順に、手間の少ない所から当たってください。見つけた資料は、原本を手元に残し、コピーに入手先と入手日をメモしておくと、あとで書類をまとめる時に迷いません。

初診日が「この期間のどこか」なら認められることも|一定の期間の取扱い

初診日を1日に特定できなくても、参考資料で「初診日はこの期間のどこかにある」と確認でき、その期間のいつの時点でも保険料の要件を満たしているなら、本人が申し立てた初診日を認める扱いがあります(出典:厚生労働省通知の第2・日本年金機構「初診日証明書類のご案内」)。期間の始まり(始期)と終わり(終期)を、それぞれ資料で示すのがポイントです。

📚 用語解説

一定の期間(始期・終期):初診日があると考えられる期間のこと。始期は「まだ発病していなかった」とわかる時点、終期は「もう受診していた」とわかる時点で、それぞれ資料で示します。

示すもの資料の例
期間の始まり(始期)就職の時に勤め先に出した診断書、人間ドックの結果(発病していないことがわかるもの)、職場の人間関係が原因の精神疾患だとわかる医学的な資料と就職の時期がわかる資料
期間の終わり(終期)2番目以降に受診した医療機関の証明、交付日が書かれた障害者手帳、20歳以降にその病気で受診していたことと時期がわかる第三者証明
申し立てた初診日(㋓の時だけ)診察券・入院記録・領収書・健康診断の記録などの参考資料

認められるのは、次のどれかに当たる場合です。㋐その期間ずっと同じ年金制度(国民年金だけ、など)に入っていて、いつの時点でも保険料の要件を満たしている。㋑期間がすべて20歳前で、その間に厚生年金に入っていない。㋒期間がすべて60歳から65歳の間で、厚生年金に入っておらず、いつでも保険料の要件を満たしている。㋓国民年金と厚生年金など異なる制度にまたがっていて、いつでも保険料の要件を満たし、さらに申し立てた初診日の参考資料もある。㋓でも、申し立てた初診日が国民年金の加入期間・20歳前・60歳から65歳の期間にある時は、初診日の参考資料は要りません。

始期 発病前の記録 就職時の診断書 初診日 本人の申立て 期間の中にある 終期 受診の記録 2番目の病院 審査 要件の確認 期間中の納付
始期と終期を資料で示し、その間に初診日があることを確かめる(タイムライン図)
ご相談者相談者

入社した時の健康診断では何もなかったのに、その数年後には通院していました。こういう場合のことですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

まさにその形です。入社の時の健康診断が「期間の始まり」、後の病院の記録が「期間の終わり」になります。その間ずっと保険料の要件を満たしていれば、申し立てた初診日が認められる道があります。会社員だった期間と国民年金の期間がまたがる時は、もう一つ資料が要るので、そこは一緒に確かめましょう。

一定の期間の扱いで大事なのは、年金の加入記録です。期間の中で会社員と国民年金の時期が入れ替わっていないか、未納の時期がないかを、ねんきんネットや年金事務所で確かめておきます。期間中のどこかで保険料の要件を満たさない時期があると、この扱いは使えません。行動としては、①発病していなかったとわかる最後の記録、②受診していたとわかる最初の記録、の2つを探し、その間の加入記録を並べてみてください。2つの記録の間が短いほど、初診日の推定がしやすくなります。

20歳前に初診日がある人は手続きが簡単に|18歳6か月がひとつの目安

子どもの頃や学生の頃に初診日があり、その頃に厚生年金に入っていなかった人は、障害基礎年金の対象です。保険料の納付の要件はなく、受け取る年金の内容も一つなので、「20歳より前に、その病気で受診していた」とわかれば、初診日を細かく特定しなくても認められる場合があります(出典:日本年金機構「初診日証明書類のご案内」・厚生労働省「障害年金における初診日証明方法の周知について」)。

方法認められる条件
2番目以降の病院の受診状況等証明書か診断書その受診日が18歳6か月より前(または18歳6か月〜20歳の受診で、20歳までに症状が固定)で、その受診日より前に厚生年金の加入期間がない
障害者手帳その病気で18歳6か月より前に交付を受けていて、交付日より前に厚生年金の加入期間がない(添付できない申立書と一緒に出す)
第三者証明(2通)20歳前に受診していたことがわかる内容。初診日の頃に限らなくてよい
医療従事者の第三者証明(1通)初診の頃または20歳前の時期に、受診の様子を直接見ていた医療従事者の証明

18歳6か月が目安になるのは、障害認定日が原則として初診日から1年6か月を過ぎた日だからです。18歳6か月より前に受診していたとわかれば、障害認定日が20歳になる日より前に来ることが確かめられます。日本年金機構の案内には、10歳の時のA病院が初診でも、17歳で受診したB病院の証明があれば、A病院の証明は要らないという例が載っています。

年齢 10歳 A病院で初診 17歳 B病院で受診 18歳6か月 この前の受診が目安 20歳 障害の程度を判断
17歳のB病院の証明があれば、10歳のA病院の証明は不要になる例(1軸ポジション図)
ご相談者相談者

子どもの頃から病気があって、最初の病院はもうわかりません。それでも大丈夫でしょうか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

20歳前に初診日がある方は、最初の病院の証明が取れなくても、20歳前に受診していたことが別の資料でわかれば、認められる場合があります。高校生の頃に通った病院の記録や、早い時期に交付された障害者手帳がないか、まず探してみましょう。

📚 用語解説

病歴・就労状況等申立書:発病から現在までの受診の経過や、日常生活・仕事の状況を、請求する人が書く書類。診断書と並んで、障害の状態を伝える大切な書類です。

書類づくりの負担を軽くする扱いもあります。令和2年10月からは、20歳前に初診日がある方のうち、生まれつきの知的障害の場合や、上の簡素化で初診日を確認した場合には、病歴・就労状況等申立書の病歴の欄を、まとめて書けるようになりました(出典:厚生労働省「障害年金における初診日証明方法の周知について」)。一方で、20歳前の病気による障害基礎年金には、本人の所得による支給の制限があります(日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」)。

当センターのポストポリオで障害基礎年金2級が認定された事例では、初診日が40〜50年以上前の幼少期で、カルテはもちろん残っていませんでした。身体障害者手帳を複数の県で取っていた経緯もあり難航しましたが、遠方の市町村と郵便でやり取りして手帳の診断書を探し出し、書類を整えました。行動としては、18歳6か月より前の受診がわかる記録(学校の健康診断、早い時期の障害者手帳、療育手帳、その頃の病院の記録)を探すところから始めてください。

一度「初診日が確認できない」と却下・不支給になった人へ|もう一度できること

以前に請求して「初診日が確認できない」と却下・不支給になった方も、あきらめる必要はありません。平成27年10月1日の見直しのあと、過去に初診日不明で却下されたケースが再申請された場合は、新しい取扱いで審査されるとされています(出典:日本年金機構の案内「平成27年10月1日から、障害年金の初診日を確認する方法が広がります」)。道は大きく、決定に不服を申し立てる方法と、資料を補って請求し直す方法の2つです。

道期限・ポイント
審査請求(社会保険審査官へ)決定があったことを知った日の翌日から3か月以内
再審査請求(社会保険審査会へ)審査官の決定書の謄本が送られた日の翌日から2か月以内
資料を補って請求し直す期限はないが、さかのぼって受け取れる年金は時効で5年分まで
前回の初診日の書類を使う同じ病気・同じ初診日で請求し直す時は、前回出した初診日の証明書類の利用を希望できる

期限は社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条・第32条で決められています(出典:e-Gov法令検索「社会保険審査官及び社会保険審査会法」)。さかのぼって受け取れる年金が5年分までであることは、日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」に書かれています。前回の書類を使う手続きは、日本年金機構の診断書・関連書類のページに様式があります。

📚 用語解説

審査請求・再審査請求:年金の決定に納得できない時に、見直しを求める手続き。まず地方厚生局の社会保険審査官に審査請求をし、その決定にも納得できなければ、厚生労働省の社会保険審査会に再審査請求をします。

審査請求・再請求 期限と方法を選ぶ 足りない資料を補う 新しい資料・証明 不支給の理由を確かめる 通知書と出した書類
もう一度動く時は、土台の「理由の確認」から積み上げる(ピラミッド図)
ご相談者相談者

前に自分で請求して、「初診日が確認できない」と言われました。もう一度出すなんて、できるんですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

できますよ。まず通知書で理由を確かめ、そのとき出した書類の控えを見直します。何が足りなかったかがわかれば、それを補って請求し直せます。当センターにも、ご自身で請求して不支給になったあと、お手元の記録を探し出して書類を整え、受給につながった方がいます。

梅田が話したのは糖尿病・人工透析で障害基礎年金2級が認定された事例です。医療機関に記録はありませんでしたが、ご本人がお持ちの記録を探し出して書類を整え、請求から約1か月で決定しました。ご相談者の声にも、一度ご自身で請求して受給につながらなかった方が、前回の請求内容を見直して不支給の理由を補い、約半年で受給権を得たお話があります。

⚠️ やり直す時に気をつけること

思い込みで日付を決めて書かないこと、診断書・申立書・第三者証明で日付や病院名を食い違わせないこと、の2つが大切です。また、保険料の要件は「初診日の前日」の納付状況で判断されるため、初診日がわかってから未納分を納めても、要件を満たしたことにはなりません。

行動としては、決定の通知書と、前回出した書類の控え(なければ年金事務所で何を出したかを確かめる)を一か所にまとめてください。審査請求には3か月の期限があるため、決定から日が浅い方は、まず期限を確かめることが先です。期限を過ぎていても、資料を補って請求し直す道は残っています。

初診日がわからない請求を、ひとりで進めるのが難しい理由

初診日がわからないまま、ひとりで障害年金を請求しきるのは、正直に言って簡単ではありません。理由は、この記事で見てきたとおり3つあります。1つめは、5つの方法のどれを使い、どの資料を組み合わせるかが、人によってまったく違うことです。2つめは、第三者証明・参考資料・診断書・病歴・就労状況等申立書の日付や病院名が食い違うと、総合的に判断される中で資料全体が弱くなることです。3つめは時間です。さかのぼって受け取れる年金は5年分までで、不支給への審査請求は決定を知った日の翌日から3か月以内と、待ってくれない期限があります。

では、どう進めればよいのか。考えられる進め方を一つずつ見ていきます。どれが悪いということではなく、「初診日がわからない」という今の状況に、それぞれがどこまで手が届くかの違いです。

進め方できること初診日がわからない時に足りないこと
自分ひとりで進める様式は日本年金機構のサイトで手に入り、自分で請求できる5つの方法の選び方、頼める人探し、資料どうしの食い違いの確認を、すべて自分で行う
年金事務所に相談する制度や書類の説明、加入記録の確認、請求書の受付当時を知る人を探したり、昔の勤め先や役所に資料を探しに行ったりするのは本人の役目
病院の相談員に相談する制度の案内や、その病院での診断書の依頼などの相談ほかの病院や昔の勤め先など、病院の外にある記録まで一緒に探すのは難しいことが多い
社会保険労務士に依頼する資料探しの見立て、申立書の作成、病院への依頼、代理での申請費用がかかる。障害年金をどれだけ扱っているかは事務所ごとに違う
初診日がわからない時 自分ひとりで 書類も人探しも自分で 年金事務所 説明と受付が中心 病院の相談員 院内の手続きが中心 社労士に依頼 資料探しから代理まで
初診日がわからない時の進め方と、それぞれが主に手伝ってくれる範囲(判断分岐図)

ひとりで進める方法は、費用はかかりませんが、表の右の列をすべて自分で背負うことになります。体調が悪い中で、何年も前の病院や勤め先に連絡を取り続けるのは、それだけで大きな負担です。年金事務所は、制度の説明と請求の受付をしてくれる大切な窓口ですが、資料を探して回るのは請求する本人です。病院の相談員は、その病院の中の手続きでは心強い味方ですが、病院の外にある記録まではなかなか手が届きません。

ご相談者相談者

年金事務所でも病院でもだめなら、結局どこに頼めばいいんでしょうか…。

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

障害年金の請求を、ご本人に代わって進められる国家資格が社会保険労務士です。初診日がわからない請求は、どの方法で、だれに、何を頼むかの見立てが一番大事なので、手続きを始める前の早い段階で相談していただくのが近道です。

社会保険労務士は、社会保険労務士法にもとづいて、年金の請求書などの作成や、本人に代わっての手続きを仕事として行える国家資格です(出典:e-Gov法令検索「社会保険労務士法」第2条)。ですから、初診日がわからない請求では、障害年金を多く扱っている社会保険労務士に、早めに相談するのが近道です。相談先を選ぶ時は、初診日の証明に苦労した受給事例を公開しているか、相談や納付要件の確認にどこまで費用がかかるか、外出が難しくても進められるか、の3点を確かめてみてください。

オフィス・テンポイントの障害年金サポート

オフィス・テンポイント(障害年金支援センター静岡)は、社会保険労務士・社会福祉士の梅田貴彦が代表を務める事務所です。初診日がわからない方の相談も受けています。支援の特徴は、次の6つです。

❶無料相談と、納付要件の確認まで無料

LINE・メールで相談でき、保険料の納付要件を調べるところまでは費用がかからない

❷最初から最後まで、完全非対面で進められる

メール・LINE・電話で最後まで進められ、希望すれば面談もできる

❸初診日がわからない方の、申請の可能性を探す

初診日が確定できずに申請をあきらめる前に、申請できる道を一緒に探す

❹約600件の診断書のデータベースを活用

いつ・どこで・どんな病気で、どんな内容の診断書が何級に認定されたかの蓄積を使う

❺申立書の作成から、代理での申請まで

病歴・就労状況等申立書を作り、病院への証明・診断書の依頼をして、代理で申請する

❻社会福祉士として、福祉と「はたらく」まで支える

受給が難しい場合も福祉の支援ができ、働き先の紹介まで行う

❶ 無料相談と、納付要件の確認まで無料

オフィス・テンポイント(障害年金支援センター静岡)では、LINEとお問い合わせフォームで無料相談を受け付けています。無料相談のあと、保険料の納付要件を満たしているかを調べるところまでは無料です(相談の流れのページの記載)。

この記事で見てきたとおり、初診日がわからない時は、まず手元に何があり、どの方法が使えそうかを整理することが出発点です。費用がかかる前の無料相談の段階で、使えそうな方法と、まず探すべき資料を一緒に確かめられます。

❷ 最初から最後まで、完全非対面で進められる

最初から最後まで、メール・LINE・電話を使った完全非対面で進められます。外出や対面が難しい方も利用できます。面談を希望する場合、静岡県内は無料で伺います(静岡圏外の場合は交通費の負担があります)。

初診日を探す作業は、病院や勤め先、役所への問い合わせが続き、体調によっては外出そのものが負担になります。非対面で進められるので、ご自宅にいながら、資料探しから申請までを進められます。

❸ 初診日がわからない方の、申請の可能性を探す

「障害年金とは」のページで、初診日の確定ができずに申請を断念される方が多いことにふれ、初診日がわからない方のために、何とか申請ができるよう可能性を探ると案内しています。

受診状況等証明書が取れない時も、第三者証明・参考資料・一定の期間・5年以上前のカルテ・20歳前の簡素化と、国の通知で決められた道があります。あきらめる前に、どの道が使えるかを一緒に探します。

❹ 約600件の診断書のデータベースを活用

約600件の診断書のデータベース(いつ・どこで・どんな病気で、どのような内容の診断書が何級の認定を受けたか)を活用し、的確な診断書の作成につなげています(はじめての方へのページの記載)。

初診日の証明と同じくらい大切なのが、今の障害の状態を正しく伝える診断書です。蓄積したデータを生かし、医師に実態が伝わる診断書の作成につなげます。

❺ 申立書の作成から、代理での申請まで

契約のあと、発病から今までの状況を書く「病歴・就労状況等申立書」を作成し、医療機関に受診状況等証明書と診断書の作成を依頼します。書類がそろい次第、代理で申請します(相談の流れのページの記載)。

初診日の資料と、病歴・就労状況等申立書の日付や病院名がそろっていることが、総合的な判断では大切です。書類づくりから病院への依頼、代理での申請までを一つの事務所で行うので、資料どうしの日付や病院名をまとめて確かめながら進められます。

❻ 社会福祉士として、福祉と「はたらく」まで支える

代表の梅田貴彦は社会保険労務士と社会福祉士の資格を持っています。面談の結果、障害年金の受給が難しい場合でも福祉の支援は可能で、働き先の紹介まで行い、生活の基盤づくりを手伝っています(はじめての方へのページの記載)。

初診日の証明がどうしても難しく、障害年金の受給が難しい場合でも、そこで終わりにはしません。社会福祉士として、使える福祉の制度や、働く場所の相談まで一緒に考えます。

ご相談から申請までの流れは次のとおりです(相談の流れの記載)。審査の期間の目安は、障害基礎年金で平均2〜3か月、障害厚生年金で平均3〜6か月で、難しい場合はそれ以上かかることもあると案内しています。

無料相談
→
納付要件の確認(無料)
→
ご契約
→
書類の収集・作成
→
代理で申請
初診日の悩み 何から探すか 無料相談で整理 証明が取れない 使える方法を探す 書類が難しい 申立書から代理申請 外出が難しい 完全非対面で進める
初診日の悩みごとに、オフィス・テンポイントがお手伝いできること(判断分岐図)
ご相談者相談者

静岡に住んでいないのですが、相談してもいいんでしょうか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

もちろんです。メール・LINE・電話で最初から最後まで進められるので、静岡県外の方もご相談いただけます。面談をご希望の場合、静岡県内は無料で伺い、県外は交通費のご負担をお願いしています。まずは今の状況をお聞かせください。

初診日の証明に苦労した方の事例は、受給事例の一覧で読めます。はじめて相談される方ははじめての方へと障害年金とはもあわせてご覧ください。相談は無料です。今わかっていることだけで構いませんので、LINEかメールでお送りください。

初診日がわからなくても、まずは無料相談で一緒に整理しましょう

まとめ|初診日がわからなくても、証明する道は一つではない

障害年金の初診日がわからない時の進め方を、もう一度整理します。初診日は、どの年金の対象になるか、保険料の要件を満たすか、いつ障害の程度を判断するかのすべてにかかわる日です。病名がついた日ではなく、その病気で初めて医師の診察を受けた日です。

✔️記憶と手元の記録(診察券・お薬手帳・領収書・健康診断の記録)で、初診日の候補を絞る
✔️初診の病院に、カルテが残っているかを先に確かめ、受診状況等証明書を頼む
✔️取れない時は「添付できない申立書」を書き、2番目以降の病院と5年以上前のカルテをたどる
✔️第三者証明・参考資料・一定の期間・20歳前の簡素化から、使える方法を組み合わせる
✔️一度不支給になっても、理由を確かめて資料を補えば、もう一度請求できる
病院の記録 少ない ← → 多い 周りの資料 証言で補う 一番進めやすい 見立てが大事 病院をたどる 証明書が取れる 2番目以降の病院で 第三者証明と資料で まず専門家に相談
病院の記録と、周りの資料・証言の多さで、進め方を見分ける図。上ほど周りの資料・証言が多い(2軸マトリクス図)
ご相談者相談者

読んでみて、まだできることがあるとわかりました。まず何から始めればいいですか?

社会保険労務士 梅田貴彦梅田

まずは、覚えていることと手元にある物を書き出してみてください。それだけでも、使える方法がずいぶん見えてきます。書き出したものを見ながら、一緒に次の一手を考えましょう。

初診日がわからないことは、障害年金をあきらめる理由にはなりません。平成27年10月から、初診日を確認する方法は広がっています。ただ、カルテの保存期間は5年で、さかのぼって受け取れる年金も5年分までと、時間がたつほど不利になる面があります。「いつか調べよう」ではなく、今日、思い出せることを書き出すところから始めてください。

書き出したメモを見ながら、使える方法を一緒に考えます(相談は無料です)

よくある質問

期間(か月) カルテの保存義務 60か月 さかのぼれる年金 60か月 審査請求の期限 3か月 再審査請求の期限 2か月
初診日の請求にかかわる期間を月数で並べた図。カルテは医師法第24条で5年、さかのぼれる年金は時効で5年分、審査請求は決定を知った日の翌日から3か月、再審査請求は決定書の謄本が送られた日の翌日から2か月(棒グラフ比較図)
よくある質問くわしい説明がある章
カルテは何年残っているか初診の病院に「受診状況等証明書」を頼む
家族に第三者証明を頼めるか第三者証明の頼み方と書き方
日付がわからない時証明書が取れない時に使える5つの方法
一度不支給になった時一度却下・不支給になった人へ
健康診断の日は初診日になるか証明書が取れない時に使える5つの方法

Q. 初診の病院のカルテは何年残っていますか?

A. 医師法第24条で、カルテ(診療録)の保存は5年間と決められています(e-Gov法令検索「医師法」)。ただし5年を過ぎても残している病院もあるため、「古いから無理」と決めつけず、まず病院に問い合わせてください。

Q. 家族に第三者証明を書いてもらえますか?

A. 請求する人の三親等内の親族(配偶者・親・子・兄弟姉妹など)は、第三者証明ができません(日本年金機構「初診日証明書類のご案内」)。隣人・友人・民生委員など、親族ではない人で、当時の受診の様子を知っている人に頼みます。ご家族の記憶は、頼める人を探す手がかりになります。

Q. 初診日の年月はわかるのですが、日付がわかりません。

A. 資料で年月まではわかるのに日付が特定できない時は、その月の末日を初診日とする扱いがあります。ただし、その月に国民年金と厚生年金など異なる年金制度に加入していた場合は、この扱いになりません。

Q. 一度「初診日が確認できない」と不支給になりました。もう請求できませんか?

A. 不支給の理由を確かめ、足りなかった資料を補えば、もう一度請求できます。決定に不服があれば、決定を知った日の翌日から3か月以内に審査請求もできます(社会保険審査官及び社会保険審査会法)。

Q. 健康診断で異常を指摘された日は初診日になりますか?

A. 原則として、健康診断の日は初診日にならず、治療のために初めて受診した日が初診日です。ただし、治療目的の受診の証明が取れず、健診の結果がすぐに治療が必要な内容だった場合は、健診日を初診日とする扱いもあります。

Q. 何年分の障害年金をさかのぼって受け取れますか?

A. 障害認定日にさかのぼって請求する場合でも、時効により、さかのぼって受け取れるのは5年分までです(日本年金機構)。初診日の資料探しに時間がかかるほど不利になることがあるため、早めに動き始めることをおすすめします。

参考にした資料(確認日:2026年10月14日)

  1. 日本年金機構「障害年金」
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html
  2. 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」(令和8年4月分から)
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
  3. 日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内(初診時の医療機関の証明を得ることが難しい場合)」
    https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/0326.pdf
  4. 日本年金機構「障害年金の請求手続き等に使用する診断書・関連書類」
    https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/index.html
  5. 日本年金機構「初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)を記入される方へ」
    https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/2018042601.files/4.pdf
  6. 厚生労働省 法令等データベース「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」(平成27年9月28日 年管管発0928第6号・平成31年2月1日一部改正)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3901&dataType=1&pageNo=1
  7. 厚生労働省年金局事業管理課「障害年金における初診日証明方法の周知について」(令和3年3月)
    https://www.mhlw.go.jp/content/000752734.pdf
  8. 厚生労働省 社会保険審査会 裁決例(初診日の考え方・相当因果関係)
    https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/dl/05-r04_05/11_01.pdf
  9. e-Gov法令検索「医師法」第24条
    https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201
  10. e-Gov法令検索「社会保険審査官及び社会保険審査会法」第4条・第32条
    https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000206
  11. e-Gov法令検索「社会保険労務士法」第2条
    https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089
  12. 日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20200805.html
  13. 日本年金機構「平成27年10月1日から、障害年金の初診日を確認する方法が広がります」(全国社会保険労務士会連合会の掲載)
    https://www.zjk.or.jp/news/2_560ce76be516d/upload/20151001-172016-2335.pdf
社会保険労務士 梅田貴彦

監修者の紹介

梅田 貴彦

社会保険労務士・社会福祉士
社会保険労務士法人オフィス・テンポイント 代表社員

労働・社会保険と福祉の架橋になります。事務所理念より

  • 大学卒業後一般企業の営業職に従事したのち、福祉の世界へ
  • 2007年社会福祉士を取得。居宅のケアマネジャーとして、人々のリタイア後の生活に触れる
  • 2013年社会保険労務士試験に合格。労働・社会保険と福祉の連携で救われる人は多いと感じ、起業を決意
  • 2014年社会保険労務士事務所を開業
  • 2017年事務所を法人化し、社会保険労務士法人オフィス・テンポイントに
  • 現在障害年金支援センター静岡を運営。成年後見 ぱあとなあ静岡、障害年金支援ネットワークの会員

受給事例・相談者の声は、当センターのサイトに載せている件数(2026年10月14日時点)。診断書のデータベースは「はじめての方へ」のページの記載。経歴は、事務所&社労士紹介のページと、テンポイントグループのセミナーポータルの代表紹介の記載です。

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